相続の手続きと家系図。相続関係説明図とは。
家系図を作っていると、相続の話が出てきます。相続の手続きで使うのは「相続関係説明図(そうぞくかんけいせつめいず)」で、家系図とは目的が違います。違いから見ていきます。
家系図と相続関係説明図の違い
| 家系図 | 相続関係説明図 | |
|---|---|---|
| 目的 | 家の記録を残す | 誰が相続人かを示す |
| 範囲 | 制限なく広い | 亡くなった方と、その相続人だけ |
| 書く人 | だれでも | 相続人(または依頼を受けた専門家) |
| 出す先 | 身内 | 法務局・銀行など |
相続関係説明図はその相続のためだけの図です。家系図のように、おじ・いとこまで広げる必要はありません。
相続関係説明図に書くこと
- 亡くなった方(被相続人)の氏名・生年月日・死亡日・最後の住所・本籍
- 相続人それぞれの氏名・生年月日・続柄・住所
- 亡くなった方と相続人のつながり(線)
- 相続する人には「相続」、相続しない人には「遺産分割」「相続放棄」などの書き添え
線の引き方は家系図と同じです(夫婦は横、親子は縦)。家系図の書き方もあわせてご覧ください。
戸籍はどこまで集めるか
相続人を確かめるには、亡くなった方の「生まれてから亡くなるまで」の戸籍がすべて要ります。途切れると、ほかに子がいないことを示せません。
集め方は戸籍で先祖をさかのぼると同じで、今の戸籍から1つずつ前へたどります。
気をつけること。 広域交付(最寄りの窓口でまとめて取れる仕組み)で取れるのは、本人・配偶者・直系尊属・直系卑属の戸籍だけです。 きょうだいが相続人になる場合は、この方法では取れません。 その戸籍がある市区町村へ郵送などで請求します。
2024年4月から、相続登記が義務になった
2024年(令和6年)4月1日から、不動産を相続したときの登記(名義の書き換え)が義務になりました。
- 相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請する
- 正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になる
- 2024年4月1日より前に起きた相続も対象。 2027年3月31日まで(取得を知った日が2024年4月以降なら、その日から3年以内)に申請する
「祖父の名義のままになっている土地がある」という家は珍しくありません。放っておくと、代を重ねるほど相続人が増えて手続きが重くなります。
間に合わないときの「相続人申告登記」
遺産分割の話し合いがまとまらず、3年以内の登記が難しいこともあります。そのために相続人申告登記という簡単な手続きが作られました。自分が相続人であることを法務局に申し出るもので、これで申請義務を果たしたことになります。
ただし、次の点に気をつけてください。
- 相続した不動産を売ったり、抵当権を設定したりするときは、別に相続登記が要ります
- 遺産分割が決まったあとの登記の義務は、これでは果たせません
家系図を作っておくと、何が楽になるか
相続が起きてから慌てて調べると、集める戸籍が何通になるか分かりません。先に家系図を作ってあれば、誰が相続人になるかがひと目で分かります。
とくに子がいない方の相続では、きょうだいや甥・姪まで相続人になります。ふだんから横のつながりを書いておくと、いざというときに探す手間が減ります。
この記事は手続きの流れをまとめたものです。実際の相続では、遺言の有無や相続放棄の期限など、個別の事情で結論が変わります。迷ったら司法書士や弁護士にご相談ください。
出典
空欄は、親族に聞いて埋められます
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